心おどる、瞬間を。通販・テレビショッピングのショップチャンネル

私が夫の仕事に携わってからも、会社の経営はすぐには安定しませんでした。「いつ倒産してもおかしくない」。そんな不安と恐怖を感じながら、毎日ひたすら会社を立て直すために奔走していました。たくさんの裏切りにも遭いました。今、私はお客様から「パワーがある」と思われているかもしれません。それは、この時に「絶対に負けない」と歯を食いしばって耐え抜いた経験が、私を強くさせてくれたのかもしれません。

私が仕事で初めて人前に立って話した日のことを、今でもはっきりと覚えています。鹿児島のあるホテルで、136名のお客様を集めて商品説明を行いました。あの時は、極度な緊張のため、身体は震え、心臓は口から飛び出てしまうのではないかと思いました。そしてその日をきっかけに、全国を巡り、たくさんの方々にお会いするようになりました。自ら人生の航海に繰り出した瞬間でした。

自社がある通販会社に卸をしていた商品の広告を見たショップチャンネルのバイヤーさんから、「これは面白い！」と声をかけていただいたことから、長いお付き合いが始まりました。化粧品をTV通販で紹介するなんて、当時では異例中の異例。まだ視聴者数も少なく前例もない中、どんな商品がお客様に喜んでいただけるのか、担当の方と一緒に考えて手探りで紹介を始めました。最初はあまり売れなかったけれど、徐々にお客様が購入してくださるようになりました。最初は手段であった化粧品ですが、徐々にお客様の代わりに作っているという意識が芽生え、今では化粧品を作るために生まれてきたのだと思っています。