モロッコには、1000年以上にわたって連綿と女性たちに受け継がれている伝統美容がありました。「ローズ ド マラケシュ」は、そのきれいのレシピを日本でも伝えたくて2004年に立ち上げたブランドです。偶然の出会いが私の運命を変え、毎日がワクワクの連続で、人生で「今」が一番楽しいです。
2004年にモロッコを初訪問。芳しく咲くバラの美しさと現地の人々に魅了され、その後足しげくモロッコに通い始める。1000年の時を経てモロッコの女性たちに継承される伝統美容を学び「ローズ ド マラケシュ」ブランドを創立。
商品の良さは、原料の良さでほぼ決まる
観光で訪れたモロッコの「バラの谷」との出会いが私の人生の転機となりました。訪れたのは、1年のうちでたった2週間しかないダマスクローズが咲き誇る時期。そんな時期だと知らずに訪れたので、まさに運命的な出会いでした。
そこで、人工的なバラの香りとはまったく違う「本物のバラの香り」や、モロッコでたくましく育つ植物たちが持つパワーを知ることになり、モロッコの伝統美容を取り入れた商品づくりをスタート。私たちが商品をつくるうえで最もこだわっているのは「原料の選定」です。
商品の良さの9割を決めると言っても過言ではないと私は考えています。
だからこそきちんと現地に赴いて、純粋で高品質の原料を信頼のおける生産者から直接仕入れています。これだけは絶対に妥協しません。
モロッコ女性たちに美容法を教えてもらうために、スパのルーツといわれる「ハマム」に入り、現地の女性と一緒に汗を流しながら
「ねぇ、どうしてそんなにきれいなの?」「(女性が使っているものなどを見て)これは何?どんな効果があるの?」などとたくさんおしゃべりをして情報を収集しています。
お客様と一緒におしゃべりを楽しむ気持ちで
ショップチャンネルに初めて出演したのは、2006年のことでした。あれこれ事前に用意しておいたトークの内容が、本番では緊張で何もかも吹き飛んでしまい…そんなことが何回か続きました。
それで、諦めたんです(笑)、「無理して話す内容を決めなくていいや」と。
それで、キャストさんやお客様と井戸端会議を楽しむ感覚で、「こんなに素敵な商品ができたのよ!聞いて!」とありのままの自分でリラックスしてお伝えするスタンスに切り替えたんです。そうすると、するすると言葉が出て自然体でお話できるようになりました。
商品だけでないモロッコの魅力をお客様に伝えたい
モロッコは年に数回訪れますが、日本からだと飛行機で片道、乗り換えも含めて約20時間の長旅になるので、現地に着いたらまずは「ハマム」で疲れを癒すのが定番です!モロッコではのんびり、おおらかな国民性を表すように「問題ないよ!(何とかなるよ!)」という言葉を皆よく言うのですが、その言葉に象徴されるように本当にゆったりと時間が流れています。何よりも人が温かく、人と人との繋がりを大切にし、裏切らないことを大事にしているので、行くと穏やかな気持ちになれます。
ショップチャンネルでは、モロッコの国そのものの魅力も伝えていきたいですね。
現地の女性の教育支援へと幸せの輪をつなげていきたい
好きなことを仕事にできて、愛情を込めて作り上げた商品でお客さまに喜んでいただけて、これ以上の幸せはありません。モロッコと、そこに根付いている伝統美容との出会いがなければ、今の私はいません。
モロッコの女性たちにも恩返ししていくことが次の目標です。アルガンオイルを精製する仕事はモロッコ女性の貴重な収入源となっているのですが、働く女性のうちほとんどが学校に通っていないため、文字が書けません。文字が書けないと銀行口座を開くことすらできないのです。
そんなモロッコ女性のために、午前中は仕事、午後は学校で学べるような、学校併設型の作業小屋の建設を進めています。
モロッコ伝統美容を通して、日本とモロッコ、ともに幸せの循環でつながるような、そんな未来を夢見ながらこれからも邁進していきます!