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  • 第55回横森美奈子さん編
  • ファッション・デザイナー 横森美奈子さん MINAKO YOKOMORI

PROFILE

よこもり みなこさん

ファッションデザイナー&ファッションアドバイザー。1949年東京生まれ。桑沢デザイン研究所卒業後、「メルローズ」「ハーフムーン」などのチーフデザイナー歴任。2003年〜(株)ワールド「スマートピンク」ディレクター、2013年〜(株)ジュピターショップチャンネルMINAKO★YOKOMORI。著書多数。

もっとおしゃれを楽しみませんか
ファッションは人の気持ちも街の景色も明るくします
DCブランド時代の< MELROSE >< Half Moon >のチーフデザイナーとして、ファッション界の最先端を歩き、その後も鋭いセンスに裏打ちされたファッションをプロデュース、自由な着物スタイルの提唱、ファッションの歴史を伝える講義、と多方面で活躍。

「デザイナーになろう」ではなく、自分の欲しい服を作るうちに仕事になっていた私、実はもともと「ファッションデザイナーになろう」と思ってなったわけではないのです。10代のころから自分で欲しい服を自分で作ったりしていましたが、それは当時、おしゃれな服が世の中になかったから。20歳を過ぎたころ、アルバイト的に小物やバッグやベストなどを作って、恐れ多くも有名デザイナーさんの店に持っていったら、ちょくちょく買ってもらえて、そのご縁で< BIGI >に声をかけていただくことになりました。そのころはまだ”アパレル”なんて言葉もない時代。女性が社会で積極的に働く時代でもなく、姿勢としては及び腰のまま、「次はこれがいいかな、あれかな」というセンサーを駆使し、ものづくり自体が面白くてやってきたような気がします。会社の業績はよかったのですが、自分的にはこのままの仕事でいいのかと不安な20代で、「ちゃんとやらなきゃ」と自覚を持つようになったのは30歳のころからでした。

「ないものが売れた」時代は、好奇心とセンサーでヒット作が生まれた35歳のころ、あまりに巨大化して疲れて< MELROSE >を退き、羽根が生えたように遊びに精を出したりもしてみたのですが、結局半年後には師匠の菊池武夫さんが作ったブランド< Half Moon >を引き受けることになりました。その時はレディースのテーラードスーツでデビュー。当時はまだ女性用のパンツスーツが存在しない時代でしたが、女性が社会に進出する機運と合致したのか、これがかなりのヒット商品となりました。メルローズ時代のカラフルニットにしろ、とにかく「ないものが欲しがられた」時代でしたからヒットしたのだと思うし、私はただ好奇心が強くて、新しもの好きで、普通の一歩半くらい先を見るセンサーがあっただけなのかなと思います。

自分の感覚を信じて、いいと思ったものを自由に40代は両親の介護などで怒涛の日々でしたが、時には息抜きもしていました。ロック音楽が好きなので、同年代より若い友達の方が話が合いました。デビュー当時からビートルズが好きでしたが、当時は「ビートルズを聴くのは不良」と非難されて、そこから一転して後にものすごく評価されるようになったのを見て、「世間の反応より自分の感覚を信じよう」と思うようになりました。50代になってからは”和文化のおもしろさ”に魅かれ、日本の着物に興味を持ち始めたのですが、それまで外国の新しいものにばかり目がいっていた自分には本当に新鮮で、従来のルールから外れても自分の感覚で着るのが楽しいです。年齢を重ねていたって、赤も黄色もピンクの着物も着ます。自分の場合、わびさびではなく、カラフルな色味が支持された安土桃山時代の感覚かなと(笑)。

おしゃれする人が増えれば、街が明るくなる介護のユニフォームデザインにも関わっています。動きやすく丈夫なだけではない、仕事への誇りを感じさせて、そのまま街を歩くことだってできる服。おしゃれはその人の気分を上げるだけでなく、周りの人の気持ちも変えるものです。日本の女性は、年を重ねるとどうしてもくすんだ色を選びがちですが、一人一人のファッションでも街の「景色」ですから、そういう色ばかりだと、街が暗くなっちゃう。年配者だって素敵な景色になってほしいし、若い人に「年を取るのも悪くないな」と思わせるようじゃないといけないと思うのです。だから私は、歳を重ねても、なるべく多くの人におしゃれを楽しんでいただきたいなと思うんです。

自分が見てきたファッションの歴史を、皆さんにも伝えていきたい今は皆さん、ファッション以外の興味にお金を使うことが増え、昔ほど服を買わなくなっている時代です。そんな中、ショップチャンネルでは、お客様に服の特長や良さをていねいにご説明できて、納得して入手していただくことができるので、本当に素晴らしい媒体だと思っています。皆さんには「もっと自分のためのおしゃれを楽しみましょう」とお伝えしたいですね。また私は日本のファッション業界の黎明期から現在まで、約50年の流れをつぶさに見てきました。今後は講演会や講座などで、自分が体験したこと、得た知識を体系化したり、若い方にファッションの歴史やおもしろさを伝えることも続けていきたいですね。

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