SHOP CHANNEL ショップチャンネル
- 第49回岡田美里さん編
-
ミリーセヴァルセン 岡田美里さん MILLIE OKADA
PROFILE
おかだ みりさん
モデルや女優、ジュエリーアドバイザー、クロスステッチ教室の主宰など、多岐に渡り活躍。東日本大震災の後、東松島市でデンマーク刺繍の指導を行い、女性の経済活動も支援している。自身のブランド「ミリ―セヴァルセン」にて帽子のラインを長年展開している。
ものづくりの経験や楽しさを注ぎ込んだ帽子をお客様へお届けする「こんな帽子を求めていたんです！」など、お客様から寄せていただくレビューは私の宝物です。いつも応援ありがとうございます！これからもミリーセヴァルセンの帽子を楽しみにしてくださっているお客様が心ときめくような商品を生み出せるように、商品づくりと真摯に向き合っていきたいと思います。
幼少期から止まらない創作意欲私は小さいころからものづくりが大好きでした。これは両親の影響が大きいかもしれませんね。母はよく編みものをしていましたし、父には友達の誕生日などにプレゼントをあげる時は「買ったものではなく、手作りのものをあげなさい」と教わってきたので、ものづくりの習慣が自然と身についていきました。
自分が選んだ素材で、自分の思い描いたものが作れるのは本当にワクワクします。高校生の時の話ですが、自宅のソファーにかけてあったイギリス製のひざ掛けが本当に素敵で創作意欲が湧き、フリンジを付けて巻きスカートを作ったことも。父にはこっぴどく怒られましたけどね（笑）。
初めて商品プロデュースをさせていただいたのは、25年ほど前のことです。私は普段自分で作ったバッグを持ち歩くことが多く、そのバッグを長女の幼稚園のママ友が気に入ってくださり、「ぜひ私のセレクトショップに置かせてもらえませんか？」と声をかけていただいたんです。それがきっかけになり、今ではさまざまな商品をプロデュースさせていただくようになりました。
“自分の役割”とは私は昔、F1の大会の番組でキャスターをやっていたのですが、あまり深い知識があるわけではなかったので、「私の役割って何でしょうか？」と番組の方に聞いてみたんです。そうしたら「TVを見るみんなが難しくて分からないことを美里さんがどんどん質問してスッキリさせてくれる、それがあなたに期待していることですよ」と答えてくれたんです。「なるほど！」と自分の中でしっくりきたのを覚えています。
だから仕事をするときは、常に“自分の役割”について考えるようにしています。帽子のプロデュースの時は、日々の暮らしの中で自分の中に湧いてくるアイデアイメージを、メーカーさんに伝えながらこだわりを妥協せず一緒に形作っていく。私は帽子業界の中の者ではないからこその発想で、きっとお客様にも喜んでいただける商品を生み出すことができると思うんです。帽子のプロメーカーさんと素敵な化学反応を起こせるように、これからも自分の感性に磨きをかけていきたいと思います。
夢の実現の先に見えてきたことクロスステッチの教室を主宰し、これまで数百人の生徒さんを教えてきました。皆さんの作品はどれもとても素敵なのに、実際それを見るのは家族だけ…という方が多く、もったいないなと思っていました。少しでも多くの方に生徒さんの作品を見てもらいたいと考え、初めて展覧会を行いました。たくさんの方に喜んでいただき、すごく感慨深かったですね。
先日私の長年の夢だったオリジナル図案のクロスステッチのキットを発売することができました。このプロジェクトの実現にあたり、ダウン症の方や被災地の方など本当にたくさんの方々にご協力いただいたんです。“遠く離れた方々とも心を通わせ一つの仕事で繋がることができる”ということを今回の経験で強く実感し、様々な方のお力になれたら、という思いがより一層強くなりました。
商品作りで特に大切にしているのは「素材」デザインはもちろんですが、素材を大切にしています。例えば、来年の春夏にご提案するリネンの帽子の商品化に向けて現在検討や調整を進めていますが、素材のリネンにとてもこだわっています。
通常、商品を作る際にリネンの生地見本から色を選ぶのですが「もうちょっとスモーキーな水色だったらな」など、いろいろな思いを抱えていました。この前、友人夫婦のお洋服屋さんに遊びに行ったのですが、そこで素敵なリネンに出会ってしまったんです！話を聞くと、なんと織りの工程からやっているとのこと。もうひと目ぼれ状態で「私の帽子にもオリジナルのリネンを使いたい！」と考え、メーカーさんに打診しました。費用や請け負ってくださる工場の選定など、本当に険しい道のりだったのですが、その思いが実現に向かって動いています。
そして、これからの季節に楽しんでいただける冬帽子も素敵な商品ができあがりました。まもなくの放送ですので、オンエアを楽しみにしてくださいね。