とにかくおいしいものが好きで、おいしいものを食べてもらいたい。豪快な見た目とは裏腹に、細心の配慮でプロならではの本物の味を届ける菰田さん。人気店を構え、マスコミにも引っ張りだこ。料理は「まじめにコツコツと」……地道な姿勢で、中華の最前線を走ります。
「4000 Chinese Restaurant」オーナーシェフ。大阪あべの辻調理師専門学校在学時に陳建一氏と出会い、1988年赤坂四川飯店に入社。2017年より、株式会社whole4000代表。
フレンチシェフに憧れつつ、中華シェフの道へ
子どものころ、土曜の夕食時に「料理天国」というTV番組をよく見ていて、「こういう料理も食べてみたい!」と思ったこと、家で本格的な料理を作る祖父や、お腹が空くと料理を作ってくれる兄がいたことなどから、料理に興味を持ち、大阪の辻調理師専門学校に進みました。本当は背の高い帽子のフレンチシェフに憧れ、キノコのような帽子の中華はどうも……と思っていたのですが(笑)、学校で和洋中と作った中で、中華が一番おいしいと感じ、その道を歩むことにしました。下積みの時代ももちろんありましたが、過ぎてしまえばあっという間でした。今、都内に3店舗を持ち、ショップチャンネルでも多くの方のご支持をいただいていて本当にありがたいのですが、それはたまたま「運がよかった」のだと思っています。
下積み時代
名のあるシェフだから売れる時代ではない。カギは「商品力」
ショップチャンネルとの出会いは本当に偶然で、先輩料理人からお声がけいただいて、一緒に出演させてもらったのがきっかけです。それまで出演した収録番組とはまったく趣が異なり、ぶっつけ本番で料理のアレンジをするなど、驚きの初体験でした。ところが意外にも評判をいただき、以来多くの出演をさせていただいています。ショップチャンネルも自分の店も、おいしい料理をお届けするのは簡単ではないですよ。名前の知れたシェフが作ったからといって売れる時代はもう終焉していますし、商品力のある品を育て、そのおいしさをどう伝えるか、とにかくお客様が「注文してみたい」という気持ちになっていただけるような説明やアプローチをいつも心がけるようにしています。
お休みには草野球やゴルフを楽しんだりもします
大学生の息子と他店に美味しいものを食べにいった時の一枚
料理を作ること、おいしいものを食べることが生きがい
料理を作ることは、趣味であり、仕事であり、生きがいです。
仕事が忙しいため家で作ることはあまりありませんが、家族と他店へ「現地集合」で食べに行きますし(笑)、知人の店や新しい店にもよく足を運びます。最近おいしかったのは、十勝の牧場で出会ったマンガリッツァ豚。あと、豆を煮込んだフランスの伝統料理「カスレ」もおいしかったなあ。勉強のためもありますが、食べ歩くのは単純においしいものを食べたいだけかもしれません(笑)。
料理とは関係なく、個人的にやってみたいのは「大学へ行くこと」。
料理一筋で歩んできましたが、一度キャンパスライフを体験したり(笑)未知の分野に学びを広げたりするのも楽しそうだなと思っています。
コツコツまじめに作ることで、お客様の期待に応えたい
ショップチャンネルでご提供させていただいている商品は、食べていただく皆さまの期待を裏切らないよう、研究を重ねながら、コツコツまじめに作ってきました。
たとえば、黒酢の酢豚は、工場で作る場合、道具や手順も店で作るレシピと同じようにはいかないですが、なるべくそれに近づけようと改良を重ね、売上がどんどん伸びていきました。また人気のエビチリは、エビの仕入れ、下処理で味の8割が決まり、その後の調理工程もきっちり行わないとプリっとおいしいものにはなりません。それぞれの工程にかかる関わるスタッフが、細心の配慮や努力をすることで、もし何か障壁があっても、ブレずに、安定した商品をお届けすることができると思っています。「エビチリおいしいです」「大好きです」といったお客様の声をお聞きすると、やはり頑張ってやっていてよかったなと感じますね。慢心することなく、日々おいしい中華を味わっていただけるよう努めますので、これからも皆さんの食卓で大いにご愛顧いただけるとうれしいです。